オフィスの床をおしゃれにする選び方!床材の種類と注意点を解説

オフィスの印象を大きく左右するのが「床材」です。

来客の第一印象や社員が過ごす日々の快適さに直結するため、デザイン性と機能性を兼ね備えた選び方が求められます。

しかし、床材にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

デザイン性を優先するのか、耐久性やメンテナンス性を重視するのかによっても最適な選択肢は異なります。

この記事では、オフィスをおしゃれに見せつつ快適で機能的な空間をつくるための床材の種類と、選ぶ際に押さえておきたい注意点をわかりやすく解説します。

オフィスの床の役割

オフィスの床は広い面積を占め、毎日自然と目に入るため、そこで働く人の気分や印象に大きく影響します。

例えば、休憩スペースに暖色系を使い、執務スペースに寒色系を取り入れることで、目的に合った雰囲気を演出できるでしょう。

また、床の色は空間を仕切る役割も果たします。

フロア全体を同じ色にするのではなく、エリアごとに色を分ければ、パーテーションを使わなくても自然にゾーニングが可能です。

オフィスにおすすめの床材の種類と特徴

床材は、オフィスの用途や雰囲気に合わせて選びましょう。

ここでは、以下の代表的な3種類の床材について詳しく紹介します。

  • タイルカーペット
  • ビニルタイプ (フロアタイル・フロアシートなど)
  • 天然素材タイプ(フローリングなど)

タイルカーペット

タイルカーペットは、オフィスの床材として定番の選択肢のひとつです。

50cm角などの正方形のパネルを敷き詰めるタイプで、デザインの自由度が高く、部分的な張り替えも可能です。

落ち着いた雰囲気を演出できるほか、防音性やクッション性にも優れており、快適なオフィス環境づくりに役立ちます。

メリット
●     デザインやカラーのバリエーションが豊富で、オフィスの雰囲気に合わせやすい

●     防音性が高く、会話や足音が響きにくい

●     汚れた部分だけを取り外して交換できるため、メンテナンスがしやすい

デメリット
●     飲み物などの液体汚れがしみ込みやすく、シミが残ることがある

●     湿気に弱く、カビや臭いが発生しやすい環境には不向き

●     他の床材に比べて耐久性がやや劣り、張り替えの頻度が増える場合がある

ビニルタイプ (フロアタイル・フロアシートなど)

ビニルタイプの床材は、フロアタイルやフロアシートなどの総称で、オフィスでも広く使われています。

樹脂製のため耐久性が高く、水や汚れに強いのが特徴です。

デザインの幅も広く、木目調や石目調など高級感のある雰囲気を手軽に再現できるため、コストを抑えつつおしゃれなオフィスが完成します。

メリット
●     水や汚れに強く、掃除やメンテナンスがしやすい

●     傷や摩耗に強く、長期間きれいな状態を保てる

●     木目調や石目調などデザインのバリエーションが豊富で、おしゃれな雰囲気を演出できる

●     比較的コストが安く、導入しやすい

デメリット
●     本物の木や石と比べると質感に劣り、安っぽく見える場合がある

●     脚音が響きやすく、防音性はやや弱い

●     種類によっては硬さがあり、長時間立ち作業をすると疲れやすい

天然素材タイプ(フローリングなど)

フローリング

天然素材タイプの床材は、フローリングや無垢材などを用いたもので、木の温もりや自然の風合いを取り入れられるのが大きな魅力です。

オフィスに高級感や落ち着いた雰囲気を与え、来客や社員にとって心地よい空間を演出できます。

自然素材ならではの質感や経年変化を楽しめる点も特徴です。

メリット
●     木の温もりや質感があり、高級感や落ち着きを演出できる

●     自然素材ならではの経年変化を楽しめる

デメリット
●     水や汚れに弱く、シミや変色が起こりやすい

●     傷やへこみがつきやすく、メンテナンスに手間がかかる

●     導入コストが高めで、張り替えや修繕費用もかかる

●     湿度の変化で反りやひび割れが生じることがある

 オフィスの床の選び方

デザイン性の高い床材は来客に好印象を与え、社員のモチベーションアップにもつながります。

また、防音性やクッション性のある素材を選べば、集中しやすい静かな環境や体への負担軽減といった効果も期待できます。

快適で機能的なオフィス環境を実現するために、床材選びの基準となる4つのポイントをご紹介します。

  • 床がオフィスにもたらす効果を意識して選ぶ
  • 床の素材や色・デザインでエリアをゾーニングする
  • 床の配色でおしゃれな空間を演出する
  • 床の掃除のしやすさを基準に選ぶ

床がオフィスにもたらす効果を意識して選ぶ

床はオフィスの印象や働きやすさを大きく左右します。

来客に与える第一印象はもちろん、社員のモチベーションや集中力にも関わってくるからです。

例えば、防音性に優れた床材を選べば足音が気にならず、クッション性のある素材を取り入れれば足腰への負担も軽くなります。

デザイン性と機能性の両面を意識して床材を選べば、働く人に快適さを与え、訪れる人にも魅力的な印象を残せるオフィス空間が実現するでしょう。

床の素材や色・デザインでエリアをゾーニングする

オフィスでは、床の素材や色・デザインを工夫するだけで、空間を用途ごとに分けて使いやすくできます。

例えば、集中して作業する執務スペースには落ち着いた色合いのカーペットを使い、リフレッシュする休憩スペースには明るい木目調のフロアを取り入れると、自然にエリアの役割を分けられます。

壁やパーテーションを使わずともゾーンを区切れるため、開放感を保ちながら機能的なレイアウトを実現できるのが大きなメリットです。

床の配色でおしゃれな空間を演出する

床の配色を工夫すれば、オフィスは一層おしゃれで心地よい空間に仕上げられます。

モノトーンでまとめればスタイリッシュで洗練された雰囲気に、木目調のナチュラルカラーを選べば温かみのある落ち着いた空間に。

さらに、アクセントカラーを部分的に取り入れれば、動きのあるデザインやクリエイティブな印象も演出できるでしょう。

床の掃除のしやすさを基準に選ぶ

オフィスの床材を選ぶ際には、デザイン性だけでなく掃除のしやすさも大切なポイントです。

人の出入りが多い空間では、土埃や飲み物のシミなどでどうしても汚れが目立ちやすいため、清掃やメンテナンスの手間を減らせる素材を選ぶと安心です。

例えば、水拭きや洗剤で手軽に汚れを落とせるビニルタイプは清潔さを保ちやすく、部分的に交換できるタイルカーペットも実用的な選択肢となるでしょう。

オフィス床の掃除方法を解説!床材別クリーニングで事務所をきれいに保つコツ

オフィスの床を張り替える際の注意点

床材の選び方や工事の進め方を誤れば、予想外のコスト増や使い勝手の悪さにつながります。

快適で機能的なオフィスを実現するには、工事期間中の業務への影響も踏まえて計画することが重要です。

ここでは、床を張り替える際に押さえておきたい注意点を紹介します。

原状回復の必要性を確認する

オフィスの床を張り替える前に確認しておきたいのが、退去時に求められる「原状回復」の条件です。

賃貸オフィスの場合、契約内容によっては原状に戻す義務があり、高価な床材を導入しても退去時に撤去しなければならないケースがあります。

不要なコストやトラブルを避けるためにも、事前に契約書や管理会社へ確認し、張り替え可能な範囲を把握しておきましょう。

配線や配管の位置

オフィスの床を張り替える際には、配線や配管の位置にも注意が必要です。

特に、OAフロアを使用している場合や電源・LANケーブルを床下に通している場合は、床材の種類によってはメンテナンスや追加工事がしにくくなるケースがあります。

また、空調や給排水の配管があるエリアでは、床材の厚みや施工方法によって設備の点検や修理に影響が出る可能性も。

快適で使いやすいオフィスを維持するためには、床材を選ぶ前に配線・配管の位置を把握し、将来的なメンテナンス性も考慮しておきましょう。

床材の下地の状況

オフィスの床を張り替える際には、耐久性を長持ちさせるためにも、床材選びと同時に下地の状況を確認・整備しておくことが大切です。

下地に凹凸やひび割れが残ったままでは、新しい床材がきれいに仕上がらないだけでなく、早期の劣化や浮き上がりの原因になります。

さらに、湿気やカビが発生している場合は、張り替え前に必ず補修や防湿対策を施す必要があるため注意が必要です。

工事期間と費用の目安

オフィスの床を張り替える際は、工事期間と費用の目安をあらかじめ把握しておくと安心です。

床材の種類や施工方法によって大きく変わるため、計画的に進めましょう。

工事期間の注意点

  • 床材や施工面積によって工期は変動し、カーペットタイルなら1〜2日程度で完了する一方、フローリングや長尺シートは数日かかる場合がある
  • 執務中の工事は業務に支障をきたすため、週末や夜間などスケジュール調整が必要
  • 下地補修や家具の移動が伴う場合、追加で時間がかかることがある

費用の目安の注意点

  • カーペットタイルは1㎡あたり3,000〜6,000円程度と比較的リーズナブル
  • フローリングや高級素材を選ぶと1㎡あたり10,000円以上になるケースもある
  • 床材代に加えて、既存床の撤去・処分費や下地調整費が発生するため、トータル費用を見積もりで確認することが重要

全体のスケジュールと予算を把握しておけば、安心して張り替え工事を進められます。

 オフィスの床をおしゃれに見せるなら配線整理がおすすめ

オフィスの床をおしゃれに見せたいなら、まずは配線整理から始めるのがおすすめです。

PCや周辺機器のコードが床に散乱していると、どんなにデザイン性の高い床材を使っても印象が損なわれてしまいます。

ここでは、配線整理に役立つ2つの方法を紹介します。

床をOAフロアにする

配線対策としておすすめなのがOAフロアです。

  • ▼絡まりがちな配線
  • ▼OAフロアにした場合
    OAフロア/配線を床下に収納

OAフロアとは、配線を床下に収納できる二重構造の床で、配線を隠すことで、より洗練されたオフィス空間に仕上がります。

OAフロアは、掃除がしやすく、配線に足を引っ掛ける心配がないため、安全性も高まります。

また、配線の増設やオフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できる点も大きなメリットです。

配線を整理するグッズを活用する

配線グッズを活用してコードをすっきりまとめれば、見た目が整うだけでなく掃除もしやすくなります。手軽に購入でき、価格も比較的リーズナブルなのが魅力です。

スパイラルチューブや結束バンドで配線をひとまとめにしたり、デスクに取り付けるケーブルトレーや配線ボックスで収納したりと、用途に応じた多彩なグッズが揃っているので、オフィスの環境に合わせて選ぶとよいでしょう。

火災や断線、転倒といったリスクを抑えられるため、安全性の向上にもつながります。

オフィス床材の張り替え事例紹介

オフィスの床を変えたいとお考えの方に、オフィスレスキュー119Happyの施工事例をお届けします。

会議室を木目調のビニル床タイルで仕上げた事例

国分プレス工業株式会社様の会議室にて、床材のリニューアルを行いました。使用したのは、東リのビニル床タイル「ルースレイ」(WVP-4423)です。

落ち着いた色合いの木目調が特徴で、温かみのあるデザインが会議室全体に高級感をもたらしています。

  • ▼Before
  • ▼After

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お客様は特にデザイン性を重視されていたため、パーテーションや壁クロスとの調和を考え、複数のプランをご提案。

当初はタイルカーペットも候補に挙がっていましたが、高級感のある仕上がりに加え、汚れにくくメンテナンスが容易である点が決め手となりました。

結果として、見た目にも機能面にも優れた快適な会議室空間が完成しています。

休憩スペースをタイルカーペットで仕上げた事例

運送業者様より、オフィス全体をモノトーンで統一したいとのご要望をいただき、タイルカーペットへの張り替えを実施しました。

  • ▼Before
  • ▼After

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床を黒一色にすると重たい印象になってしまうため、グレーを組み合わせた市松模様をご提案。リユース品のストライプ柄も候補に挙がりましたが、最終的には2色を組み合わせたデザインを採用いただきました。

さらに、床材に合わせてパーテーションやロールスクリーンもモノトーンで統一。ブラックを基調にしながらも、グレーとのバランスによって暗くなりすぎず、洗練された雰囲気を持つオフィス空間が完成しました。

OAフロアの交換・タイルカーペットの貼替の事例

システム開発企業様より、破損が目立つOAフロアの交換とタイルカーペットの貼替をご依頼いただきました。

  • ▼Before
    施工前
  • ▼After
    施工後

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既存のOAフロアとカーペットは、在庫のリユース品を活用してコストを抑えつつ刷新。打ち合わせの中で追加工事として、柱まわりのクロス貼替やブラインド交換も実施しました。什器についてもリユース品を導入し、全体の統一感を高めています。

工事は土日を利用し、3週間にわたり5日間の工程で実施。業務に支障を出さないようスケジュールを調整しながら進めた結果、機能性とデザイン性を兼ね備えた快適なオフィス空間が完成しました。

オフィスの床材はデザイン性と実用性を考慮して選ぶ

床の張り替えは機能性とデザイン性を重視し、コストパフォーマンスも考慮に入れながら、使用目的に合わせて選びましょう。

掃除やメンテナンスのしやすさ、退去時の原状回復対策も重要な要素です。

また、下地の処理や配線・配管などの専門知識も求められるため、信頼できる施工会社に依頼し、相談しながら進めていくと安心です。

床材の張り替えに関することなら、実績豊富なオフィスレスキュー119Happyにお気軽にご相談ください。