冬のエアコン暖房の電気代はいくら?1時間あたりの金額や節約方法を解説

冬にエアコンを使うと、気になるのが「電気代がどれくらいかかるのか」という点ですよね。

実は、エアコン暖房の電気代は使い方や設定温度、部屋の断熱性によって大きく変わります。

電気料金の上昇を受け、家庭やオフィスでの消費を抑えたいと考える人も多いでしょう。

この記事では、暖房時の電気代の目安や他の暖房器具との比較、手軽にできる節約術を紹介します。

快適さとコストの両立を目指す方に向けた実践ガイドとして、ぜひお役立てください。

エアコンの暖房にかかる電気代

エアコンの暖房費を抑えるには、まず電気代の目安を把握しましょう。ここでは、計算方法と消費電力別の金額を紹介します。

1 時間あたりの電気代は約3円から62円と幅がある

エアコンの電気代は、以下の計算式で導き出すことができます。

電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)

たとえば、15~23畳用のエアコンの平均消費電力は約1,748Wとされています。

電気料金単価を31円/kWhとすると、

1,748W÷1,000×31=約54円/時 となります。

つまり、1時間あたり約54円が目安です。

消費電力が高いほど電気代も上がるため、お使いのエアコンの仕様を一度チェックしてみましょう。

消費電力別の1時間あたりの電気代の目安は以下の通りです。

消費電力 1時間あたりの電気代(目安)
500W 約16円
1,000W 約31円
1,500W 約47円
2,000W 約62円

エアコン暖房の電気代は部屋の広さでも変わる

エアコンの電気代は、部屋の広さによっても大きく変わります。

広い部屋を暖めるほどパワーが必要になり、消費電力も増加するため、電気代が高くなる傾向があります。

以下の表は、部屋の広さごとのエアコンの消費電力と電気代の目安をまとめたものです。

(※電気料金単価31円/kWh計算)

広さ 冷房能力 消費電力 8時間あたり電気代 1ヶ月あたり電気代(30日換算)
6畳 2.2kW 484W 約121円 約3,600円
8畳 2.5kW 572W 約142円 約4,260円
10畳 2.8kW 792W 約197円 約5,910円
12畳 3.6kW 1017W 約253円 約7,590円
14畳 4.0kW 1257W 約312円 約9,360円
18畳 5.6kW 1754W 約435円 約13,050円
20畳 6.3kW 1825W 約453円 約13,590円
23畳 7.1kW 2309W 約573円 約17,190円
26畳以上 8.0kW 2756W 約684円 約20,520円

エアコンと他の暖房器具の電気代を比較

エアコン以外にも電気ストーブ、オイルヒーターなど様々な選択肢があります。

どの暖房器具を使うかによって、かかる電気代や部屋の暖まり方は大きく異なります。

効率よく暖まりながら電気代を抑えるには、用途や部屋の広さに合わせて上手な使い分けが大切です。

  • ファンヒーター
  • ホットカーペット
  • オイルヒーター
  • パネルヒーター

ファンヒーター

ファンヒーターは、セラミックで覆われた電熱線で空気を暖め、ファンで送り出す電気ヒーターです。

コンパクトで設置場所を選ばず、狭いスペースでも使いやすく設計されています。

加湿機能や人感センサーなど、便利な機能を備えたモデルも多くみられます。

消費電力:約450~1,300W

電気代の目安:約14~40円/時

暖房器具の中では電気代がやや高めですが、即暖性が高く、広範囲に温風を届けられるので短時間のスポット使用にも適しています。

使用に最適な場所:広めの執務室、会議室の隅

ホットカーペット

ホットカーペットは、内部の電熱線が発熱し、足元を直接温めるタイプの暖房器具です。

足元からじんわりと暖まるため体感温度が上がり、エアコンの設定温度を下げても快適に過ごせます。

消費電力:約100~500W

電気代の目安:約3~16円/時

発熱エリアを選べるタイプもあり、座っている部分だけを暖めて無駄な電力を抑えられます。部分的に使うと省エネ効果も高く、足元の冷え対策にぴったりです。

使用に最適な場所:休憩スペースやデスク下

オイルヒーター

オイルヒーターは、電気で内部のオイルを温めて輻射熱で部屋全体を暖めます。

オイルは燃料ではなく熱を運ぶ役割のみなので、火事の心配が少なく安全です。また、風を起こさないため乾燥を防ぎ、静かな環境を保つことができます。

消費電力:約600~1,500W

電気代の目安:約19~46円/時

部屋が暖まるまで時間がかかるため、即暖性よりも持続的な暖かさを求める閉じた空間に適しています。

使用に最適な場所:個室の執務室や受付カウンターの裏

パネルヒーター

パネルヒーターは、パネル面から熱を放射して暖める暖房器具です。

広い空間を短時間で暖めるのには不向きですが、デスク下や足元などの部分暖房として使うと快適に過ごせます。静音性も高いため集中作業をする空間にもあいます。

消費電力:約300~1,200W

電気代の目安:約9~37円/時

使用に最適な場所:壁際のデスク横や足元

エアコン暖房を節約するコツ

エアコンは、少しの工夫で消費電力を大きく抑えられます。

ここでは、冬の暖房を快適に保ちながら電気代を節約するための、5つのポイントを紹介します。

  • フィルター掃除をこまめにする
  • 断熱グッズで熱を逃さないようにする
  • 不在時は「切る」より「控えめ運転」にする
  • 加湿器で体感温度を上げる

室内温度を20℃に保つようにする

暖房の電気代を抑えるうえで、最も効果的なのは設定温度の見直しです。

環境省では、健康と快適さの両立を目的に、冬の室温を20℃前後に保つことを推奨しています。

エアコンの設定温度を高くしすぎると消費電力が増え、電気代の上昇につながります。

一方で、設定温度を1℃下げるだけで消費電力を約10%節約できるとされています。

暖めすぎは体に負担をかける原因にもなるため、まずは室温を20℃前後に保つよう意識してみましょう。快適さを保ちながら無理なく省エネにつなげるための、最初の一歩です。

参考:「家庭のエネルギー事情を知る」(環境省)

フィルター掃除をこまめにする

エアコンのフィルターにホコリがたまると、空気の流れが悪くなり暖房効率が大幅に低下します。

そのまま使用を続けると、設定温度まで上げるために余分な電力を消費するため、電気代が増える原因になります。

掃除は2週間に1回を目安に行うと効果的です。掃除機でホコリを吸い取るか、水洗いしてしっかり乾かすだけでも暖房効率は改善します。

自動お掃除機能付きのエアコンでも、定期的にフィルターの点検やお手入れが省エネにつながります。

断熱グッズで熱を逃さないようにする

冬の室内では、暖かい空気の約半分が窓などの開口部から逃げているといわれています。

熱の損失を防ぐことが、暖房効率を上げるための重要なポイントです。

対策として、厚手のカーテンを閉めたり、窓に断熱シートやプチプチ(気泡緩衝材)を貼ったりすると効果的です。

また、暖房だけに頼らず、厚手の服やひざ掛けを取り入れて体感温度を高める工夫をすると、無理なく節電につながります。

不在時は「切る」より「控えめ運転」にする

短時間の外出や離席の際は、エアコンを完全に切るよりも、設定温度を下げて控えめ運転にする方が省エネになる場合があります。

これは、電源を入れた直後にエアコンが最も多くの電力を使い、急速に室温を上げようとするためです。

1時間程度の不在であれば、電源を入れ直すよりも、設定温度を2~3℃下げて運転を続けた方が電力消費を抑えられます。

頻繁なオン・オフを避けることで、機器への負担も軽減できます。

加湿器で体感温度を上げる

湿度を上げると、同じ室温でもより暖かく感じられるようになります。これは、空気中の水分量が増えることで体から熱が逃げにくくなるためです。

加湿器を使って湿度を40〜60%に保てば、室温が20℃程度でも十分に快適に過ごせます。

さらに、湿度を適切に維持すると風邪ウイルスの繁殖を抑える効果も期待でき、暖房費の節約だけでなく健康面にもプラスになります。

冬を快適に過ごすためには、温度だけでなく湿度の管理も欠かせません。

暖房エアコンの電気代を抑えて冬をより快適に過ごしましょう

エアコン暖房は、ちょっとした使い方の工夫で電気代を大きく節約できます。

部屋の広さに合った機種を選び、設定温度を適切に保ちながら、フィルター掃除など定期的なメンテナンスを行えば省エネにつながります。

ただし、古いエアコンは最新機種に比べて消費電力が高く、結果的に光熱費がかさむ場合もあります。

快適さとコストを両立させるためには、性能や使用年数を定期的に見直し、必要に応じて買い替えを検討するのがおすすめです。

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