1年の締めくくりに送る年末の挨拶メールは、相手への感謝を伝える大切なビジネスコミュニケーションです。
しかし、「どんな表現が正解?」「取引先・上司・社内向けで文面を変えるべき?」など、いざ書こうとすると迷ってしまう方も多いはずです。
そこでこの記事では、2025年のビジネスシーンでそのまま使える年末挨拶メールの例文を、相手別・シーン別にわかりやすくまとめました。
忙しい時期でもすぐに送れる定番フレーズから、好印象につながるひと言まで紹介しています。年末のご挨拶に悩んだときの参考にご活用ください。
年末の挨拶メールを書くときの基本マナー

年末の挨拶メールにおいて、最初に押さえておきたい基本のポイントを整理しました。
感謝の気持ちをきちんと届けるために、年末の挨拶メールで意識しておきたい4つのマナーをわかりやすくまとめています。
・送る時期は12月中旬~下旬がベスト
・年末の挨拶と一目でわかる件名にする
・一斉送信でメールを送らない
・年末年始の営業日や営業時間を記載する
送る時期は12月中旬~下旬がベスト
メールを送るタイミングは、相手の仕事納めから逆算して12月20日前後までが最適です。
余裕をもって送ることで、相手の仕事納め前に届きやすく、読んでもらえる可能性が高まります。
年末ギリギリの送信は、相手がすでに休暇に入っていたり、メールチェックが滞っていたりする可能性があるため避けましょう。
社内向けには、一年の締めくくりという意味で、最終出勤日直前を目安に送ると好印象です。仕事納めの1〜2日前を目安に送りましょう。
年末の挨拶と一目でわかる件名にする
忙しい時期だからこそ、「年末のご挨拶」「本年の御礼」「年末年始休業のお知らせ」など、一目で内容がわかる簡潔な件名にしましょう。
件名が長すぎると受信ボックスで途中で切れ、内容が埋もれる原因になります。15~25文字程度の件名がおすすめです。
また社外向けの場合は、件名に会社名や氏名を入れることで、誰からのメールかがすぐにわかり、信頼感につながります。
【件名の例文】
| ・年末のご挨拶|株式会社〇〇
・本年の御礼と年末年始休業のお知らせ【〇〇株式会社】 ・年末年始の営業日ご案内 〇〇ショップ □□支店 ・【年末のご挨拶】本年も大変お世話になりました ・年末のご挨拶とご案内(〇〇課 〇〇より) ・本年のご愛顧への御礼とご挨拶 ・年末のご挨拶と来年のご案内について ・年末のご挨拶/〇〇プロジェクト担当 ○○より ・【御礼】一年間のご支援に感謝申し上げます ・年末のご報告と御礼(株式会社〇〇) |
一斉送信でメールを送らない
年末メールは「気持ちを伝える」ことが目的のため、できるだけ個別に送るのが理想です。相手ごとに文面を少し変えたり、今年の関わりに触れるひと言を添えたりするだけで、感謝の気持ちがより伝わり、関係性の強化にもつながります。
業務の都合で複数名に同時送信する場合は、必ずBccを使用しましょう。
ToやCCに複数名を入れてしまうと「まとめて送られた」という印象になり、さらに受信者のメールアドレスが他の人に見えてしまうため、個人情報保護の観点からも避ける必要があります。
▼To・CC・Bccの違い
| To | ・主な宛先(メインの相手)を指定する欄
・基本的には「直接やり取りしたい相手」を入れる |
| CC | ・情報共有が目的の宛先
・内容を知っておいてほしい人を入れる ・受信者全員が互いのアドレスを確認できる |
| Bcc | ・受信者同士のアドレスが見えない宛先
・同時送信したことを他の受信者に知られずに送れる ・一斉送信や個人情報保護が必要な場面で使う |
年末年始の営業日や営業時間を記載する
年末の挨拶メールは、一年間の感謝を伝えるだけでなく、年末年始の営業日を知らせる大切な機会でもあります。
取引先が特に知りたいのは、「いつ連絡が取れるのか」という点です。そのため、以下の内容を明確に記載しておくと親切です。
・本年の営業は〇月〇日まで
・新年は〇月〇日より営業いたします
休業期間を先に伝えておくことで、相手が予定を立てやすくなり、安心感にもつながります。また、メールの結びの挨拶と自然につなげて書くと、よりスマートな印象になります。
【営業日の例文】
| 誠に勝手ながら、弊社は12月◯日(◯)~1月◯日(◯)まで休業とさせていただきます。
新年は1月◯日(◯)より通常営業いたします。 皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、来年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 |
会社で使える年末の挨拶メール例文集(2025年版)

年末にすぐに使える挨拶メールの例文と、感謝をより丁寧に伝えるための「ひと言追加のコツ」をご紹介します。
その前に、まずは年末挨拶メールの基本的な構造を確認しておきましょう。基本の流れを押さえておくだけで、短時間でも整ったメールが作成できます。
〈社外宛の挨拶メール〉
社外宛のメールでは、ビジネスマナーを守り、失礼のない文面を意識しましょう。
【社外宛の基本構成】
| (1)宛名
会社名、部署名・役職名、氏名を明記します。 敬称は、個人名には「様」、社名や店舗名には「御中」を用います。 (2)挨拶と名乗り 「いつもお世話になっております」などの挨拶を入れ、続いて社名・部署名・役職・氏名を伝えます。 (3)一年のお礼と感謝 年末挨拶の中心は「一年の御礼」。 短くてもかまわないので、丁寧な文にまとめましょう。 (4)年末年始の営業日などのお知らせ 取引先とスケジュールを共有するため、必ず記載します。 (5)来年の抱負や今後のお願い 前向きな言葉で、来年の関係性へつなげます。 (6)結びの挨拶 「ご健康とご多幸をお祈りします」などの結びで締めくくります。 |
〈社内宛の挨拶メール〉
社内宛メールは、簡潔さと具体性がポイントです。
【社内宛の基本構成】
| (1)宛名
部署名、役職、氏名を記載します。 (2)挨拶と名乗り 「お疲れ様です」などの挨拶と、自身の所属・氏名を伝えます。 (3)一年のお礼と感謝 簡潔に、一年の感謝を伝えます。 (4)思い出やエピソード 感謝やねぎらいの言葉を、具体的な出来事とともに書くと伝わりやすくなります。 (5)来年の抱負や今後のお願い 来年へとつながるひと言を添えると、メールが引き締まります。 (6)結びの挨拶 相手の健康や多幸を祈る言葉で締めます。 |
社外(取引先・顧客)向けメール例文
社外(取引先・顧客)向けの年末挨拶メールは、これまでのご支援への感謝を伝えるとともに、来年の信頼関係をより強固にする重要なコミュニケーションです。
定型文に加えて、今年関わった案件ややり取りを一つだけ具体的に挙げると、相手の印象に残りやすく、温かみのあるメッセージになります。
また、その際に「学び」や「感謝」を簡潔に添えると、形式的になりすぎるのを防げます。
一方で、社外向けメールはビジネス文書であるため、過度な私情を入れず、丁寧かつ適切な距離感を保つことも大切です。ここでは、そのまま使える例文とともに、好印象につながるひと言追加のコツも紹介します。
年末の例文1:一般的な取引先向け
| 件名:年末のご挨拶(株式会社〇〇)
株式会社□□□ △△部 部長 ○○○○様 平素より大変お世話になっております。 株式会社○○ 第一営業部の□□でございます。 本年も格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。 特に□□プロジェクトにおきましては、○○様より貴重なご教示を頂戴し、無事に成果を上げることができました。心より御礼申し上げます。 なお、弊社は12月28日まで営業し、新年は1月4日より業務を開始いたします。 休業中はご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 来年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。 貴社の皆様のご健康とご多幸をお祈りし、年末のご挨拶とさせていただきます。 |
【ひと言追加のコメント例|一般的な取引先向け】
| ・毎回の打ち合わせで多くの示唆をいただき、大変貴重な一年になりました。
・貴社の迅速なご連絡のおかげで、スムーズに進行できました。 ・今年ご一緒した〇〇案件では、多くの学びを得ることができ、心より感謝申し上げます。 ・いつも温かいお心遣いをいただき、安心して業務を進めることができました。 ・本年は新たな取り組みをご一緒でき、大変光栄でした。 |
年末の例文2:新規取引が始まった相手向け
| 件名:本年の御礼(株式会社〇〇)
株式会社□□□ △△部 部長 ◯◯ ◯◯様 平素より大変お世話になっております。 株式会社◯◯ 第一営業部の□□でございます。 本年は新たにお取引の機会をいただき、誠にありがとうございました。 至らぬ点も多くございましたが、温かいご支援に深く感謝申し上げます。 年末は12月◯日まで、新年は1月◯日より営業いたします。 来年も一層精進してまいりますので、変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。 |
【ひと言追加のコメント例|新規取引が始まった相手向け】
| ・本年よりお取引を開始できましたこと、心より御礼申し上げます。
・新たにご一緒でき、大変光栄に存じます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。 ・このたびは初めての取り組みに多大なご協力を賜り、誠にありがとうございました。 ・貴社と新たなプロジェクトをご一緒でき、学びの多い一年となりました。 ・お取引開始から丁寧にご対応いただき、深く感謝しております。 ・本年はご縁をいただき、業務をご一緒できましたことを嬉しく思っております。 ・初回のお取引にも関わらず、スムーズに進行できたことに感謝申し上げます。 |
年末の例文3:長く取引している顧客・パートナー向け
| 件名:年末のご挨拶と御礼
株式会社□□□ △△部 部長 ◯◯ ◯◯様 平素より格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。 株式会社◯◯第一営業部の□□でございます。 おかげさまで本年も継続してプロジェクトを進めることができました。 これもひとえに長年にわたるご愛顧の賜物と存じ、改めて御礼申し上げます。 弊社は12月◯日まで通常営業、新年は1月◯日より業務を開始いたします。 来年も安定したサービス提供に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 |
【ひと言追加のコメント例|長く取引している顧客・パートナー向け】
| ・長年にわたり温かいご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
・本年も変わらぬご厚情をいただき、誠にありがとうございました。 ・長きにわたりお力添えいただき、改めて御礼申し上げます。 ・本年も安定してプロジェクトを進められたのは、貴社のご協力のおかげです。 ・長年お取引を続けられていることを、大変ありがたく感じております。 ・いつも迅速かつ丁寧にご対応いただき、心より感謝しております。 |
社内(上司・同僚・部下)向けメール例文
社内(上司・同僚・部下)向けの年末挨拶メールは、一年間の協力への感謝を伝えつつ、来年に向けて前向きな気持ちを共有する大切なコミュニケーションです。
社外向けと違い、日頃の業務での関わりや学びを具体的に添えやすい一方で、砕けすぎない適度なビジネスマナーも求められます。
印象が良くなる「ひと言追加のコツ」を交えながら、すぐに使えるメール例文を紹介します。社内の関係性をより円滑にし、気持ちよく一年を締めくくるための参考にしてください。
年末の例文1:上司・先輩への挨拶
| 件名:年末のご挨拶
◯◯部長 お疲れさまです。◯◯です。 今年も多くのご指導をいただき、誠にありがとうございました。 日々のアドバイスを通して、業務への理解が深まりました。 来年もご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、引き続きご鞭撻のほどお願いいたします。 良いお年をお迎えください。 |
【ひと言追加のコメント例|上司・先輩向け】
| ・本年も多くのご指導を賜り、心より感謝申し上げます。
・日頃より丁寧にご指導いただき、大変学びの多い一年でした。 ・いつも的確なアドバイスをいただき、業務を進める上で大変心強く感じております。 ・今年もたくさんの機会を与えていただき、成長につながりました。 ・困った際にはいつもご相談に乗っていただき、心より御礼申し上げます。 ・ご指導のおかげで無事にプロジェクトを完遂できました。改めて感謝申し上げます。 |
年末の例文2:同僚への挨拶
| 件名:今年もお疲れさまでした!
広報部 ◯◯様 お疲れさまです、営業部の◯◯です。 今年も一緒に働けて、心強かったです。 広報面でのご助力のおかげでプロジェクトの認知度が広まり、多くの反響を得ることができました。 本当にありがとうございます。 来年も協力しながら、良いチームをつくっていきましょう。 幸多き新年をお迎えください。 |
【ひと言追加のコメント例|同僚向け】
| ・今年も一緒に仕事ができて、とても心強かったです。
・忙しい時期にはたくさん助けてもらい、本当にありがとうございました。 ・日々のやり取りがスムーズで、業務がとても進めやすかったです。 ・〇〇プロジェクトでは、お互い支え合いながら乗り越えられてよかったですね。 ・いつも相談に乗ってくれてありがとう。来年もよろしくお願いします。 ・チームで協力して成果を出せたのは、あなたのおかげだと感じています。 |
年末の例文3:部下・後輩への挨拶
| 件名:1年間お疲れさまでした
営業1課 ◯◯◯◯様 お疲れさまです。◯◯です。 今年一年の業務へのご尽力、ありがとうございました。 おかげで無事に一年を締めくくることができました。 展示会やA社のプレゼンテーションでの活躍に成長を感じ、頼もしく思っています。 来年も一緒により良いチームづくりを進めていきましょう。 良いお年をお迎えください。 |
【ひと言追加のコメント例|部下・後輩向け】
| ・一年間、責任を持って業務に取り組んでくれて本当にありがとう。
・今年の成長ぶりには目を見張るものがありました。今後がますます楽しみです。 ・忙しい時期にも前向きに頑張ってくれたこと、心から感謝しています。 ・〇〇案件ではあなたの働きが大きな力になりました。お疲れさまでした。 ・いつもチームを支えてくれてありがとう。とても頼りにしています。 ・丁寧な仕事ぶりが多くの場面で助けになりました。来年も一緒に頑張りましょう。 |
気持ちを込めた年末の挨拶で、1年の締めくくりをあたたかく

年末の挨拶メールは、一年間の感謝を伝えるだけでなく、来年以降のより良い関係づくりにつながる大切な機会です。
「定型文に加えて、相手との具体的なエピソードをひと言添える」、これだけで、形式的になりすぎず、心のこもった印象を与えることができます。
今回ご紹介した例文やマナーを参考に、相手にしっかり感謝が伝わる挨拶メールを届けてみてください。






