冬場になると、オフィスで「足元が冷えて仕事に集中できない…」という困りごとの声が増えてきますよね。
とはいえ、各自で持ち込んだパネルヒーターや電気ストーブなどを使っていると、うっかり電力を使いすぎてブレーカーが落ちてしまい、大切な業務がストップしてしまう…なんてことも起こりがちです。
せっかくの寒さ対策でトラブルが起きてしまっては逆効果ですよね。
そこでこの記事では、総務やオフィス管理を担当するみなさまに向けて、「電気の基本知識」や「工事なしでできるちょっとした工夫」、「みんなが納得できるルール作り」まで、やさしく分かりやすく解説していきます。
Contents
どうして冬のオフィスはブレーカーが落ちやすいのか?

ブレーカーが落ちてしまう主な原因は、オフィスの「1つの電気回路(電気の通り道)」に電気が集まりすぎてしまうからです。
オフィスでは、目に見えるコンセントの数に関わらず、「壁や床の裏側を通る電気の配線(回路)」ごとに使える上限がしっかりと決められています。
見た目にはデスクごとにコンセントがたくさん並んでいて、「1コンセント=1回路」と思いがちですが、実は床下で1本の大元の配線(回路)に繋がっていることがよくあります。
そのため、隣の席の人と「別のコンセントを使っているつもり」でも、内部では同じ回路の電気を奪い合っている状態になります。
1つの回路(ブレーカー)で使える電気の目安は「2000W」まで
日本の一般的なオフィスでは、分電盤(大きな電気の元スイッチ)のレバー1つにつき、使える電気の量は合計2000W(ワット)までと決まっています。
ただ、毎日安心して使い続けるためには、余裕をもって上限の80%である「1600W」くらいまでに抑えておくのが安心です。
- 電気ストーブやファンヒーター(持ち込み品): 1台で800W〜1200Wほど使います。パソコンと同じ場所で1〜2台使うと、すぐに安全枠を超えてしまいます。
- デスク用パネルヒーター: 1台あたり150W〜200Wと省エネですが、同じエリアでみんなが一斉に使うと、いつの間にか容量オーバーになってしまうことがあります。
パネルヒーターは1つの回路で何台まで使える?
「150W〜200Wなら電気をあまり使わないから大丈夫」と思いがちですが、少しだけ計算にコツがいります。
もし他になにも繋がっていない「ヒーター専用」の回路であれば、200Wのパネルヒーターは最大8台まで繋げられます(1600W ÷ 200W = 8台)。
ですが、実際のデスクではパソコンやモニターの電源も一緒に使っていますよね。
- ノートPC + モニター = 1人あたり約100W
- これにパネルヒーター(200W)を合わせると = 1人あたり約300W
1600Wの安全枠の中に無理なく収めるには、「1つの回路につき最大5人分まで(1500W)」を目安にしておくと安心です。
6人掛けのデスク島で全員が同時に使うと、ふとした拍子にブレーカーが落ちやすくなってしまいます。
パソコンや複合機(コピー機)と同じ電源を使うときに気をつけたいこと
気をつけたいのが、ブレーカーが落ちたことで作成中のデータが消えてしまったり、機器に負担がかかったりすることです。
- パソコンへの影響: 足元ヒーターのスイッチを入れた瞬間に同じグループのパソコンが消えてしまい、作成中だった大切なデータが失われてしまう…というケースもあります。
- 複合機(コピー機)との同時使用: 複合機は普段おとなしく見えても、印刷するときやスリープから復帰するときに、一瞬で1000W〜1500Wもの電気を使います。同じ場所でパネルヒーターを使っていると、印刷ボタンを押したタイミングで合計2000Wを超えてしまうことがあります。
データや機器を守るためにも、OA機器と暖房器具はできるだけ別の電源から取るように工夫してみましょう。
工事なしで今日からできる!電気を上手に分散する3つの工夫
ちょっとした配線と使い方の工夫でできる「手軽な負荷分散」
「すぐに配線工事をするのは難しい…」という場合でも、ちょっとした工夫で電気の集中を和らげることができます。
1.隣のデスクグループから電源を分けてもらう(クロス供給)
隣り合うデスク島(グループ)同士で電気の回路が分かれているなら、電源コードを少し工夫して伸ばし、バランスよく分け合ってみましょう。
2.大きな電気を使う機器は専用の場所に繋ぐ
複合機や大型シュレッダーが繋がっているコンセントには、延長コードを繋がずにその機器だけで使用しましょう。
3.使い始めのタイミングや温度を少し意識する
朝出社して全員が一斉に「強」で使うと、急激に電気が使われます。「使い始めの時間を少しずらす」「はじめは『中』以下で使ってみる」といったゆるやかなルールを作ってみるのも効果的です。
どのコンセントがどこに繋がっているか調べてみよう
電気を上手に分散させるために、まずはオフィスのコンセントがどのブレーカーに繋がっているかをチェックしてみましょう。
- ステップ1:分電盤(電気の元スイッチ)を見てみる
- オフィスの分電盤を開いて、スイッチのラベルを確認します。分かりにくい場合は「1」「2」など仮の番号シールを貼っておくと便利です。
- ステップ2:電気の繋がりをたしかめる
- 業務終了後などに、調べたい床コンセントに卓上ライトなどを挿し、ブレーカーを1つずつ落としてみます。灯りが消えた場所を記録していけば、どのコンセントがどのスイッチと繋がっているかが一目で分かります。
- ステップ3:コンセントに分かりやすく表示する
- 「スイッチNo.3(ヒーター〇台まで)」といったシールをコンセントカバーに貼っておくと、席やレイアウト変更した場合にもわかりやすく、自然と使い過ぎに気をつけられるようになります。
タコ足配線を見直して、安全な電源タップを選ぼう
1つのコンセントに延長コードを何本も繋ぐ「タコ足配線」は、注意が必要です。
- 色で分かりやすく分ける: 「パソコン用(黒色)」と「ヒーター用(白色など)」で差込口を色分けしておくと、誤ってパソコン用の場所にヒーターを挿してしまうのを防げます。
- 家庭用の細い延長コードは避ける: 一般的なコードは合計1500Wまでしか耐えられません。細いコードに複数のヒーターを繋ぐと熱を持ちやすくなってしまいます。
- オフィス向けの電源タップを使う: 使い過ぎを防ぐ「安全ブレーカー付き」や、ホコリ防止の「トラッキング防止機能付き」の電源タップを選ぶと、より安心して使えます。
みんなが気持ちよく使える社内ルールの伝え方
設備を整えるのとあわせて、社員のみなさんが心地よく協力できる運用ルールを作っていきましょう。
ポイントは、「禁止する理由」と「フォロー策」をセットで伝えることです。
- ✕「私物ヒーターの持ち込みは一切禁止です」(我慢を強いてしまい、こっそり使われてしまうことも…)
- ◯「安全面やデータ保護のため、私物の持ち込みはお控えいただいております。 代わりに、会社で安全基準を満たしたパネルヒーター(150W以下・自動オフ機能付き)を用意しましたので、ぜひご活用ください!」
このように「安心して使える環境を会社でご用意しました」という姿勢を示すことで、みんなで協力しながら、暖かく快適なオフィスを作っていくことができます。
安全で快適なオフィス環境を目指して

冬の寒さ対策は、働く従業員の健康と業務への集中力を守るためにとても大切です。
しかし、無理な電気の使い方でトラブルが起きてしまっては、元も子もありませんよね。
まずは「電源の取り方を工夫する」「みんなで使い方のルールを共有する」といったすぐにできる小さな対策から始めてみましょう。
運用の工夫だけでは難しい…と感じたら?
「デスクの配置上、どうしても特定の電源に集中してしまう」 「運用だけでは限界があって、毎回ヒヤヒヤしながら使っている…」
そんなときは、電気の回路を増やしたりコンセントを新設したりする「配線工事」を検討してみるのもひとつの手です。
オフィスレスキュー119Happyでは、使い勝手に合わせた壁面のコンセント増設はもちろん、オフィスデスクまわりがすっきり片付くフロアコンセント(床コンセント)の設置まで、専門のスタッフが柔軟に対応しております。
「うちのオフィスだとどんな配置が良いんだろう?」「概算の費用を知りたい」など、ちょっとしたご質問やご相談からでも大歓迎です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。暖かく、安心して働けるオフィス環境を一緒につくっていきましょう!
STAFF/
このコラムは私が監修しました
担当者情報
オフィスレスキュー119Happy 假屋課長(電気スペシャリスト/部門管理者)
はじめまして、オフィスレスキュー119Happyの假屋です。
電気は目に見えないからこそ、知識不足によるDIYや間違った取り扱いが事故につながるリスクを孕んでいます。
本コラムでは、皆様が毎日使う電気を『安全・快適』に利用できるよう、現場の知識をもとに正確な情報をお伝えすることを心がけています。不安な点があれば無理をせず、プロの電気工事士に相談してください。
本格的な寒さがやってくる前に、ぜひオフィス内の電源状況を一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

Happyでは、現場調査から施工完了までを一つの窓口で対応できるため、スケジュール調整がスムーズになり、コスト面でも無駄がありません。現場調査・お見積もりは無料です。
【専門家に相談する前に知っておきたい!】と考える方向けコラム
いま、注目されるフロアコンセントについてはこちら▼
オフィスのコンセント増設する方法はこちら▼


