「ISDN回線のサービス終了」と聞き、自社のビジネスホンがいつまで使えるのか、対応が必要なのか、情報収集をしながらも様子見されている担当者も多いのではないでしょうか。
2024年に一部サービスが終了しましたが、まだ電話が使えているため、具体的な影響範囲が分かりにくい状況です。
この記事を読めば、ISDN回線サービス終了の正確なスケジュールと自社のビジネスホンへの影響を把握し、2028年の完全終了までに「いつ、どの設備・サービスへ切り替えるべきか」の具体的な実行計画を立てられるようになります。
Contents
2024年と2028年の違いは?ISDNサービス終了の全スケジュール

ISDNサービス(INSネット)の終了は、2段階のスケジュールで進んでいます。
まず2024年1月にデータ通信専用の「ディジタル通信モード」が終了し、次に2028年末で電話などに使う「通話モード」を含むサービス全体が完全に終了する予定です。
この2つの終了時期と内容の違いを正確に理解することが、適切な対策を講じる第一歩となります。
自社の利用状況と照らし合わせ、どちらの終了タイミングが影響するのかを把握する必要があります。
2024年1月に終了した「ディジタル通信モード」とは
2024年1月に提供が終了した「ディジタル通信モード」とは、ISDNサービスが提供する機能の一つで、主にデータ通信に特化して利用されていました。
具体的には、POSシステムでの売上データ転送、企業間の電子データ交換(EDI)、警備システムの遠隔監視、銀行ATMのオンライン取引など、音声通話以外の多岐にわたる用途で活用されてきた通信方式です。
このモードの終了時期を迎え、対象システムを利用していた企業は代替サービスへの移行が必要になりました。
2028年末に完全終了する「INSネット(通話モード)」とは
2028年末に完全終了が予定されている「INSネット」とは、NTT東日本・西日本が提供するISDNサービスのことです。
2024年1月以降、多くのビジネスホンで利用されているディジタル通信モードは使えなくなりましたが、通話モードは引き続き利用できています。
通話モードは、デジタル回線でありながら、主に音声通話やFAX通信に利用されてきました。
1回線で2つの通話・通信が同時に行える利便性から、多くの企業で採用されています。
この「通話モード」の終了時期までに、すべての利用者は後継となるIP網を利用したサービスへの切り替えが必須となります。
現在のビジネスホンは継続可能?主装置(PBX)の確認ポイント

ISDNサービス終了後も現在のビジネスホンを継続して利用できるかは、電話機本体ではなく、複数の電話回線を制御する「主装置(PBX)」の仕様に依存します。
主装置がIP回線(ひかり電話など)に対応しているかどうかが、継続利用可否の大きな分かれ目です。
新しい機種であれば簡単な設定変更やユニットの追加で対応できる場合がありますが、旧式の機種では主装置自体の交換が必要になることもあります。
まずは、現在利用している主装置のメーカーや型番、導入時期を確認し、保守を依頼している業者へIP回線への対応可否を問い合わせしましょう。
回線の切り替えだけで済むケース
現在使用しているビジネスホンの主装置(PBX)が、ひかり電話などのIP電話サービスに対応している場合、大規模な設備交換は不要で、回線の切り替え工事と簡単な設定変更だけで対応が完了する可能性があります。
比較的新しい機種や、IP対応のユニットを後から追加できるモデルがこれに該当します。
この場合、電話機や配線をそのまま活用できるため、設備投資を最小限に抑えつつ、スムーズに新サービスへ移行できるのがメリットです。
保守会社に型番を伝え、IP回線への対応可否を確認することが最初のステップとなります。
主装置(PBX)の交換や買い替えが必要になるケース
使用中の主装置(PBX)が旧式で、IP回線に全く対応していない場合は、主装置自体の交換、あるいはシステム全体の買い替えという対応が必要です。
特に、設置から長年経過しているアナログ設計のPBXは、後継のIP網サービスに接続するための機能を持っていません。
また、メーカーの部品供給が終了している機種も修理が困難なため、サービス終了を機に更新するのをおすすめします。
ISDNサービス終了というタイミングは、老朽化した設備の状況を見直す良い機会です。
回線切り替えの対応だけでなく、長期的な視点で安定稼働が見込める設備への更新を計画しましょう。
ビジネスホンの主装置についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
ISDNからの移行先はどれを選ぶ?ひかり電話とクラウドPBXを徹底比較

ISDNサービス終了に伴う移行先の選定は、企業の通信環境を将来にわたって最適化する重要な機会です。
代表的な選択肢として、従来の電話環境に近い形で利用できる「ひかり電話」と、物理的な主装置(PBX)が不要で柔軟な働き方に対応しやすい「クラウドPBX」の2つが挙げられます。
これらはコスト構造、機能性、拡張性において異なる特徴を持ちます。
自社の規模、業務内容、将来の事業計画などを踏まえ、それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、最適な電話サービスを選択しましょう。
安定性とコストを両立する「ひかり電話」のメリット
ひかり電話は、NTTなどが提供する光ファイバー網を利用したIP電話サービスです。
最大のメリットは、ISDN回線と比較して月額基本料金や通話料が安価になる点です。
全国一律の料金体系で、遠距離通話が多い企業ほどコスト削減効果が大きくなります。
また、光回線を利用するため通信品質が安定しており、従来の固定電話と遜色ないクリアな音声で通話できます。
現在使用している電話番号をそのまま引き継げる(番号ポータビリティ)場合が多く、既存のビジネスホン設備を流用できる可能性もあるため、移行のハードルが低い選択肢と言えます。
「ひかり電話」へ移行する際の注意点
ひかり電話へ移行する際の注意点として、まず停電時に利用できなくなる点が挙げられます。
ひかり電話はルーターやONU(光回線終端装置)といった機器が電力で動作するため、停電対策として無停電電源装置(UPS)の導入を検討する必要があります。
また、利用中のビジネスホン主装置(PBX)がひかり電話に対応していない場合、ユニットの追加や装置自体の交換が必要になり、別途コストが発生します。
さらに、一部のフリーダイヤルや特殊な電話番号に接続できないケースもあるため、事前に利用中のサービスへの影響を確認しておく対応が重要です。
多様な働き方に対応できる「クラウドPBX」のメリット
クラウドPBXは、従来オフィスに設置していた主装置(PBX)の機能を、インターネット経由で利用する電話サービスです。
物理的なPBXが不要なため、初期投資を抑えられ、設備の維持管理やスペースの心配もありません。
最大のメリットは場所を選ばずに会社の電話番号で受発信できる点で、スマートフォンを内線電話として利用したり、在宅勤務や多拠点での電話対応をスムーズに実現したりできます。
各種CRMツールとの連携や通話録音など、ビジネスに役立つ豊富な機能を手軽に利用できる拡張性の高さも魅力です。
「クラウドPBX」へ移行する際の注意点
クラウドPBXへ移行する際の注意点として、まずインターネット環境への依存度が非常に高いことが挙げられます。
社内のネットワークに障害が発生したり、通信速度が遅かったりすると、通話品質が不安定になる、あるいは電話が全く利用できなくなる可能性があります。
そのため、安定した高速インターネット回線の確保が前提となります。
また、サービスは月額利用料モデルが基本であり、利用するID数(内線数)によっては、長期的に見ると買い切り型のPBXより総コストが高くなる可能性も考慮して対応する必要があります。
自社に最適なサービスを選ぶための比較一覧表
ひかり電話とクラウドPBX、どちらが適しているかを判断するために、以下の比較表を参考にしてください。
| ひかり電話 | クラウドPBX | |
| 初期費用 | 工事費+対応PBXが必要 | PBX不要で比較的安価 |
| 月額料金 | 回線使用料+通話料で安価 | ID数に応じた利用料 |
| 主装置 | オフィス内に設置が必要 | 不要(クラウド提供) |
| 利用場所 | オフィス内が基本 | インターネット環境があればどこでも可 |
| スマホ連携 | 専用アプリや追加設備で可能 | 標準機能として提供されることが多い |
| 拡張性 | 物理工事が必要 | Web管理画面で容易に設定変更 |
| 停電時 | 利用不可※UPS対策が必要 | |
ISDNサービス終了へ向けた4ステップ|乗り換えまでの完全ガイド

ISDN回線のサービス終了に向けて、計画的に準備を進めていきましょう。
何から手をつければよいか分からない場合でも、手順を踏めばスムーズに対応できます。
まずは自社の契約状況を正確に把握することから始め、利用している機器の調査、そして将来の働き方を見据えた移行先の選定、最後に具体的な切り替え作業へと進みます。
この4つのステップを順番に実行することで、混乱なく最適な通信環境への移行を実現するためのスケジュールを立てられます。
ステップ1:契約状況の確認 – NTTの請求書で「INS」の記載を探す
最初のステップは、自社がISDN回線を契約しているかを正確に確認することです。
最も確実な方法は、NTT東日本・西日本から毎月送付される請求書を確認することです。
請求書の内訳に「INSネット64」や「INSネット・ライト」といった記載があれば、ISDNサービスを利用している証拠になります。
この記載が見つかった場合は、サービス終了の対象となるため、次のステップに進む必要があります。
もし請求書が見当たらない場合は、NTTの窓口に問い合わせて契約状況を確認しましょう。
ステップ2:利用機器の調査 – ビジネスホン契約先へ問い合わせる
次に、現在利用しているビジネスホンや関連機器の状況を調査します。
特に重要なのが、主装置(PBX)のメーカー名と型番です。
この情報をもとに、日頃から取引のあるビジネスホンの保守会社や販売店に連絡し、「ISDNサービス終了に伴い、現在の機器でひかり電話などのIP網サービスに移行できるか」を問い合わせます。
専門業者であれば、機器の対応可否だけでなく、必要な追加ユニットや設定変更、あるいは機器の交換が必要かどうかといった具体的なアドバイスを得ることができます。
この調査結果が、移行先の選定や予算策定の基礎となります。
ステップ3:移行先の選定 – 自社の利用状況に合う代替サービスを選ぶ
機器の状況が把握できたら、次は具体的な移行先となる代替サービスを選定します。
主な選択肢は「ひかり電話」と「クラウドPBX」です。
オフィスでの利用が中心で、コストを抑えつつ安定した通話を確保したい場合は「ひかり電話」が有力候補となります。
一方、在宅勤務や外出先での電話対応が多く、スマートフォンの活用や機能の拡張性を重視するなら「クラウドPBX」が適しています。
自社の業務内容、従業員の働き方、将来の事業展開などを考慮し、複数のサービスを比較検討して最適な対応を決定します。
ステップ4:切り替えの実行 – 見積もり取得から導入工事までの流れ
移行先のサービスが決まったら、具体的な切り替え作業に移ります。
複数の通信事業者や販売代理店から見積もりを取得し、費用とサービス内容を比較検討しましょう。
契約先を決定したら、申し込み手続きを行い、導入工事の日程を調整します。
ひかり電話の場合は光回線の引き込み工事、クラウドPBXの場合はインターネット環境の確認や設定作業が主な内容です。
工事や設定が完了し、通話テストで問題がないことを確認できれば、ISDN回線からの切り替えは完了です。
余裕を持ったスケジュールで進めることが円滑な移行の鍵となります。
ISDNサービス終了とビジネスホンに関するよくある質問

ISDN回線のサービス終了に関して、多くの企業担当者が共通の疑問を抱いています。
例えば、「2024年に終了したはずなのに、なぜまだ電話が使えるのか」「今使っている電話番号は引き継げるのか」といった質問が頻繁に寄せられます。
ここでは、そうしたよくある質問に対して簡潔に回答し、ISDNサービス終了とビジネスホンに関する疑問や不安を解消します。
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Q2024年にISDNサービスは終了したはずなのに、なぜまだビジネスホンで電話ができるのですか?
- A2024年1月に終了したのは、ISDNサービスの「ディジタル通信モード」というデータ通信専用の機能です。
POSレジやEDIなどで利用されていました。
一方、ビジネスホンで利用されている音声通話機能「通話モード」は、2028年12月末まで提供が継続されます。
そのため、現時点では問題なく電話が使えている状況です。
ただし、この通話モードも終了するため、それまでにIP網への移行が必要です。
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QISDN回線のサービスが終了した後、今使っているビジネスホンの電話番号はそのまま使えますか?
- Aはい、多くの場合、現在利用中の電話番号はそのまま引き継ぐことが可能です。 ひかり電話などの後継サービスへ移行する際に「番号ポータビリティ」制度を利用すれば、同じ電話番号を継続して利用できます。 ただし、収容局の変更を伴う移転など、一部条件によっては番号が変更になるケースもあります。 移行手続きの際に、契約する通信事業者に現在の電話番号が引き継げるかを必ず確認してください。
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QISDNから光回線へ切り替える際、ビジネスホンの交換や追加工事は必要になりますか?
- A利用中のビジネスホン主装置(PBX)の機種によります。
比較的新しい機種で、ひかり電話などのIP回線に対応している場合は、簡単な設定変更やユニットの追加工事で対応できることがあります。
しかし、古い機種やIP非対応の機種の場合は、主装置自体の交換やシステム全体の買い替えが必要です。
ビジネスホンに関するご相談はHappyへ

NTTが提供するISDN回線サービス「INSネット」は、2028年末にサービスを完全終了します。
2024年1月にはデータ通信用の「ディジタル通信モード」が先行して終了しましたが、ビジネスホンで主に利用される「通話モード」は現在も利用可能です。
そのため、サービス終了までに「ひかり電話」や「クラウドPBX」といったIP網を利用した代替サービスへの移行が必須となります。
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現在、お使いのビジネスホンをそのまま使いたい、どうするのがいいのかなど、お困りの場合はお気軽にご相談ください。

