オフィス床の掃除方法を解説!床材別クリーニングで事務所をきれいに保つコツ

オフィスの床は、来客や社員に与える第一印象を大きく左右する重要なポイントです。

カーペットのシミやフローリングの汚れは、清潔感を損なうだけでなく、衛生面への不安にもつながります。

そのため、床材に合わせた正しい掃除を心がけることが大切です。

本記事では、フローリング・タイル・カーペットなど、オフィスでよく使われる床材ごとの掃除のコツを解説します。

適切な方法を押さえておけば、余計な手間をかけずに清潔で快適な状態を維持できるでしょう。

オフィス床の掃除方法!床材別クリーニングのコツ

オフィスで使われる床材にはさまざまな種類があり、それぞれに適した掃除方法があります。

誤った方法で掃除してしまうと、床材を傷めたり劣化を早めたりする原因になりかねません。

代表的な床材の特徴と、それぞれに合った正しい掃除の仕方をご紹介します。

  • タイルカーペット
  • ビニル床材(PVCフロア)
  • フローリング(天然素材)

オフィスの床材選びや張り替えリフォームについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

オフィスの床をおしゃれにする選び方!床材の種類と注意点を解説

タイルカーペット

写真の施工事例を見る:レイアウト変更にともなうタイルカーペット張替施工

タイルカーペットは、オフィスで多く使われている床材です。

防音性やクッション性に優れており、歩行音を吸収することでオフィス内の静穏性を保つ効果があります。

また、40~50cm角のパーツで構成されているため、汚れた部分だけを取り外して洗浄や交換できる点もメリットです。

〈掃除方法〉

日常の掃除は、掃除機でホコリやゴミを吸い取るだけで十分きれいになります。

コーヒーやジュースなどのシミは放置せず、すぐに拭き取りましょう。

薄めた中性洗剤を含ませた布で軽く叩き、汚れを移し取るようにするのがポイントです。

さらに、月に一度はスチーム洗浄機や専用のカーペットクリーナーを使い、繊維の奥にたまった汚れを除去すると、より清潔な状態を維持できます。

※スチーム洗浄は裏材や接着剤の仕様により不可の製品があります。実施前にメーカー仕様を確認してください。

ビニル床材(PVCフロア)

写真の施工事例を見る:タイルカーペットからビニルタイル仕様に張り替え

耐久性と耐水性に優れており、オフィスや店舗など幅広い場所で利用されている床材です。

汚れが染み込みにくく、メンテナンスが容易なためコストパフォーマンスにも優れています。

デザインのバリエーションも豊富で、どのようなオフィス空間にも合わせやすく、実用性とデザイン性を兼ね備えている点が魅力です。

〈掃除方法〉

日常の掃除は、モップや掃除機でホコリやゴミを取り除くだけで十分きれいになります。

汚れが目立つときは、中性洗剤を水で薄めたもので布拭きすると効果的です。

さらに、定期的にワックス処理を行えば、美しい見た目を保ちながら耐久性も高められます。ただし、アルコールや強溶剤は変色や劣化の原因となるため使用は避けましょう。

フローリング(天然素材)

木の温もりと高級感があり、快適で上質な空間を演出できる床材です。

木材は表面の細かな穴から湿気を吸収・放出し、室内の湿度を調整する働きを持っています。

ただし、傷や水分には弱いため、日頃から丁寧な手入れが欠かせません。

〈掃除方法〉

日常の掃除は、乾いたモップや掃除機でホコリを取り除くだけで十分です。

水拭きを行う場合は固く絞った布を使い、その後必ずから拭きをして水分を残さないようにしましょう。

過度な水分は木材の反りや変色を招く原因になります。

さらに、専用ワックスを定期的に塗布することで表面を保護し、光沢と耐久性を維持できます。なお、重曹や強アルカリ性の洗剤は木を傷める恐れがあるため、使用は避けてください。

※ノンワックス床はワックス塗布が不要/不適切な場合があります。仕様を確認のうえ対応してください。

オフィスの床が汚れる原因とは?

オフィスの床に発生する汚れは、大きく分けて「黄ばみ」「黒ずみ」「油汚れ」の3種類です。

これらは放置すると除去が難しくなるため、原因を理解し、予防を意識したメンテナンスが欠かせません。

汚れの種類 主な発生原因 特徴・注意点
黄ばみ 水滴の放置、ゴム汚染 塩化ビニル樹脂床で発生しやすい。椅子や机の滑り止めゴムが原因のゴム汚染は除去困難
黒ずみ 黒ずみ 湿気による深部浸透カビは業者でも除去困難。劣化ワックスの上塗りに注意
油汚れ 食べこぼし、調理油 透明で見落としやすく、放置すると黒ずみに進行する

黄ばみは、水滴を放置した際に床材と反応して変色する現象で、特に塩化ビニル樹脂を使用したビニル床材で発生しやすい傾向があります。

また、椅子や机の滑り止めゴムによる「ゴム汚染」も黄ばみの一因であり、一度発生すると取り除くのが非常に困難です。

黒ずみは、床に残った水分からカビが繁殖するのが主な原因です。

長時間放置すると床材内部にまで浸透し、専門の清掃業者でも簡単には除去できない場合があります。

さらに、床に塗布したワックスが劣化すると黒ずみが生じる場合があり、汚れを隠すために重ね塗りしてかえって悪化させてしまうケースもあります。

油汚れは、食べこぼしなどでも発生します。透明なため気づきにくいものの、放置すると蓄積して黒ずみの原因となるため注意が必要です。

床材ごとに発生しやすい汚れと対処法

床の汚れは種類に応じて、最適な清掃方法を選びましょう。

汚れを放置すると美観を損なうだけでなく、床材そのものの劣化にもつながります。

代表的な汚れである「黄ばみ」「黒ずみ」「油汚れ」の3種類について、それぞれに合った具体的なお手入れ方法を紹介します。

  • 黄ばみ
  • 黒ずみ
  • 油汚れ

黄ばみをきれいにする方法

・発生しやすい床材:ビニル床材

・原因:水滴の放置やゴム製品との接触

・軽度なら中性洗剤で拭き取り可能。ただしゴム汚染は除去困難

床の黄ばみは、主に水滴の放置やゴム製品との接触によって発生します。軽度の黄ばみであれば、中性洗剤を使って比較的簡単に落とせます。

〈手順〉

1.掃除機やほうきでゴミを除去する

2.固く絞った布で水拭きする

3.バケツの水に中性洗剤を数滴垂らしてかきまぜ、布を浸して固く絞る

4.黄ばみ部分を拭く

5.別の布で水拭きし、最後に乾拭きで仕上げる

頑固な黄ばみには、アルカリ性洗剤を薄めて使う方法もあります。

ただし、中性洗剤に比べて刺激が強いため、床材や手荒れの原因になるおそれがあります。適切な濃度を調整し、ゴム手袋を装着するなど、取り扱いには注意しましょう。

また、ゴム汚染による黄ばみは基本的に落とせません。発生直後ならメラミンスポンジで落とせる場合もありますが、床を傷つける恐れがあるため慎重に行ってください。

予防策としては、滑り止めゴムと床の間にシリコンシートや紙を挟む方法がおすすめです。

黒ずみをきれいにする方法

・発生しやすい床材:フローリング、タイルカーペット

・原因:湿気やカビ、ワックスの劣化

・表面汚れはアルコールや中性洗剤で対応可能。内部まで浸透した場合は業者対応が必要。

黒ずみの多くはカビが原因で発生します。表面にとどまっている場合は比較的除去しやすく、アルコールスプレーが有効です。

〈手順〉

1.黒ずみ部分にアルコールスプレーを吹き付ける

2.アルコールが乾いたら中性洗剤を含ませた布で拭き取る

3.別の布で水拭きして洗剤を落とす

4.乾拭きで仕上げる

表面に付着したカビであれば、上記の方法で除去できますが、床材内部に浸透したカビの自力での除去は困難です。その場合は、清掃業者に任せるのが安心です。

また、ワックスの劣化が原因で黒ずみが発生している場合は、「ワックスの剥離」作業が必要になります。専用の溶剤や機械を用いるため、専門の業者に相談するのが望ましいでしょう。

油汚れをきれいにする方法

・発生しやすい床材:ビニル床材、食事スペース周辺の床

・原因:食べこぼしや調理油

・軽度なら中性洗剤で拭き取り可能。ただし広範囲に及ぶ場合は交換を検討。

※タイルカーペットは油が繊維内部に浸透しやすく、清掃では完全除去が難しいため、範囲が広い場合は貼替え前提になるケースが多い。

軽度の油汚れであれば、中性洗剤を使ってきれいにできます。

〈手順〉

1.バケツの水に中性洗剤を数滴たらし、よく混ぜる

2.洗浄液を染み込ませて固く絞った布で油汚れを拭く

3.きれいな布を水で濡らして絞り、水拭きで洗剤を落とす

4.乾いた布で乾拭きし、仕上げる

油汚れは透明で気づきにくく、放置すると黒ずみ汚れへ進行してしまうため、こまめな清掃が重要です。

予防対策として、食事スペースを設けるなどして場所を制限し、その場所を重点的に清掃するといった工夫も効果的です。

オフィスの床を掃除する際の注意点


床材に合わない方法で掃除をすると、かえって傷や変色を招いてしまう場合があります。

ここでは、オフィスの床を清潔に保ちながら長持ちさせるために、掃除の際に気をつけたいポイントを紹介します。

以下の3つの注意点についてそれぞれ解説します。

  • 床に水分を残さない
  • 床材に合った洗剤を使う
  • ワックスの扱いに注意

床に水分を残さない

水拭きは、床の汚れを落とす効果的な方法ですが、拭いた後に水分が残っていると、黄ばみや黒ずみ、カビの原因になります。

特にビニル床材では水分との反応により黄ばみが生じやすく、フローリングでは木材の反りや腐食につながる恐れがあります。タイルカーペットの場合も、水分が残るとカビの発生につながります。

水拭きする際は、布やモップを固く絞り、できるだけ少ない水分で拭くことが大切です。

そのあとは、必ず乾拭きをして仕上げ通気性を確保しましょう。湿度の高い日や換気が不十分な環境では、扇風機やエアコンを活用して乾燥を促すのも効果的です。

床材に合った洗剤を使う

床材にはそれぞれ特性があり、使用する洗剤にも注意が必要です。

■ビニル床材

基本的に中性洗剤を使用してください。アルコールや強溶剤は、変色や劣化の原因となるため避けましょう。

■フローリング

水分や強アルカリ性の洗剤に弱いため、専用のクリーナーを使用するか、固く絞った布で水拭きする程度にとどめ、刺激の強い洗剤は使わないようにしましょう。

■タイルカーペット

カーペット専用の洗剤または中性洗剤を使います。水気を残さないよう固く絞った布またはスポンジで拭いた後、布を変えて水拭きを行い洗浄液をしっかりと拭き取ります。さらに乾拭きをした後に十分に乾燥させましょう。

洗剤の使用に不安がある場合は、目立たない部分で試してから全体に使うと安心です。また、洗剤の量は必要最小限にとどめ、使用後は水拭きと乾拭きでしっかりと除去することがポイントです。

ワックスの扱いに注意

ワックスはフロアを保護し美しく保つ仕上げ材ですが、扱いを誤ると逆効果になるケースもあります。

劣化したワックスをそのまま放置すると黒ずみ汚れの原因となりますし、汚れが付いた状態で重ね塗りすると内部に汚れを閉じ込め、取り除くのは難しくなります。

このような場合は、一度ワックスを剥離し、新たに塗り直す必要があります。剥離には専用の薬剤や機材が必要なため、場合によっては専門業者への依頼をおすすめします。

オフィスの床が自力できれいにならない場合は張り替えを検討してみましょう

オフィスの床を美しく保つには、床材の特性を理解した適切な清掃方法と、汚れの種類に応じた対処法の実践が重要です。

日々の清掃で美観は維持できますが、毎日大勢の人が働くオフィス空間では汚れが蓄積しやすく、通常の清掃では限界な場合もあります。

その際には、清掃業者に依頼するだけでなく、床材そのものを取り替えるリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。床は最も目立つ部分であり、オフィスのイメージ刷新にもつながるため、一石二鳥の効果が期待できます。

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